超音波・誘電測定による研究


 最近話題になっているホログラフィーや光通信は、光の波動的な性質を利用したものです。 波動には様々なものがあり、その一つである音波は圧力波(或いは、弾性波)とも言うべきものです。 これを観測する事により、物質の弾性(柔らかいとか固いといった性質)を直接的に知ることが出来ます。 私達の研究室では、音速や音波の透過率を広い範囲の周波数について同時に観測できる実験システム(超音波スペクトロスコピーシステム)を開発しました。 このシステムにより分散(音速や減衰の周波数依存性)が短時間で観測出来る様になりました。 また、開発したシステムは非破壊検査に応用でき、固体試料中の亀裂などの検出が可能です。 この研究の成果は、将来の航空宇宙構造材料として考えられている高強度複合材料の構造評価や材料疲労の察知等に非常に役に立つものと思われます。 さらに、誘電率においても広帯域測定の可能な手法を取り入れ、物性研究に役立てています。


複合材料中の層間剥離モデル(テフロンシート)を超音波でイメージング